そういえば薬を呑ませてねぇってことは。


「……あいつ、今も魘されてんだよな?」



《いや、もう落ち着いて幸せそうに寝てましたけど》




はあ?そんなの絶対ぇあり得ねぇ!!




風龍は、てか、聖龍は一体。




「……何したんだ?」




まさか、荒業とか使ってねぇだろうな?




《頭、撫でました》



「……それで?」



《それだけです》




……。



嘘だろ?頭撫でただけ?



そんだけで、激しく魘されてる亜美を止められんのか?



少なくとも、俺たち家族にはできねぇ。



17年、共に過ごしてきた俺たちにできねぇことを、平気でこなすっつうことは、亜美はよっぽどこいつに気を許してんだな。