龍の女神となるべき姫【上】



―――パシッ



そのあと聞こえたのは、殴られた音じゃなくて、小柄な男がナイフ男の拳を掴んだ音だった。



小柄な男は、物凄く冷たい目をしていた。




『言葉で駄目な奴には、態度で示さなきゃな……』




―――バキッ




『いい加減にしろよ!!
俺はお前みたいな奴が1番嫌いなんだよ!!』




ナイフ男は1発で気を失った。



強烈なパンチだな……。




それから小柄な男は、意識を取り戻し始めた他の約30人に、



『おい。こいつら連れてけ』



と言った。