……。 嬉しかった。 素性もわかんないような奴の言葉が、ただただ嬉しかった。 僕らが今まで噂してる奴らを放っといたのは、期待してたからでもあったんだ。 “嵐龍はそんなことしない” “そんなのただの噂だ” 誰かがそう言ってくれるのを。 待ちわびて。 諦めかけてた言葉を言ってもらえて、涙が出るほど嬉しかったんだ。 でも、ナイフ男はそんなことで引き下がるようなできた人間じゃなくて。 「……綺麗事ばっか言ってんじゃねぇよ!!」 小柄な男に殴りかかっていった。