龍の女神となるべき姫【上】




やっぱ駄目か。




僕はそいつの正体云々よりも、悠基を止められなかったことに落胆した。




でも、そいつから予想外の言葉が返ってきた。




『ま、俺もそう思うけど』




―――え?



僕は耳を疑った。



つまり、


男Aに生きてる価値はない

イコール、

死んでもいい


ってことだよね?




悠基を止めときながら、それって一体どういうこと?



さすがの悠基も殴る手を止めて、そいつを凝視してる。




『ん?何かおかしいこと言った?
俺もそう思ってたから、今まで止めなかったんじゃん』




ずっと見てたのかよ!!



と、思わずツッコミそうになる。




でも次の瞬間、そいつの纏うオーラが一変した。



何て言うか。


茶化すような空気から、包み込んでくれるような空気になった。