龍の女神となるべき姫【上】



『どうして天姫は、“会いに来い”なんて言ったんだと思う?』



「……え」



『これは私の勝手な予想だけど。
見たかったんだと思うよ。
変わった4人を』



「変わった4人?」



『うーん、ちょっと違うか。
変わることのできた4人を、かな』



「変わることのできた、4人……」



『留衣たちは、嵐龍にいて絶望しきってたんじゃない?
変わってしまった総長に。
卑怯という、貼られてしまったレッテルに』




そう。


あのとき見た4人の瞳には、残酷なまでの絶望と、微かな期待が宿っていた。




「……」