俺たちは所詮、下っぱで。 姫なんか手の届かない存在だってわかってた。 だからたとえ1分だけだとしても、俺たちだけを見てくれるこの時間が嬉しかった。 俺たちはひと言も聞き漏らさないように、ジッと亜美さんを見つめた。 亜美さんは、今までの女なんかと全然違うって思ってた。 だけど、ここまで俺たちを思いやってくれるなんて、思いもしなかった。 言葉なんか聞かなくても、亜美さんがどれだけ素敵な人なのかは、よくわかった。 さすがは総長が選んだ姫だ―――