幸せという病気



「竜司、何やってたの・・・?心配したんだから・・・」

「ごめんな・・・」





病院の朝。


遥は体を横にし、竜司をずっと笑顔で見つめている。



「あんまこっち見んな・・・俺そっち向けないっての・・・」


一方の竜司は怪我の為に横を向けず、終始仰向けで話をし、遥がそんな竜司を見て嬉しそうに話し掛ける。


「痛そうだね」

「痛いよ・・・」

「怪我好きだね」 

「好きで怪我する馬鹿どこにいんの・・・」

「ハハッ。でも同じ病室なんて偶然だね~?」

「そうだなぁ。あっ昨日俺が寝てる時、そこから俺に好きって言ってたでしょ~?」

「言ってないよ・・・」

「言えよ」





やがて夜になり、昼間から看病してくれていた祖母が家へと帰ると、竜司は遥に引き出しを開けるよう促した。



「え?どの引き出し?」

「一番上だよ」

「・・・なんか怖い・・・ドッキリとか・・・?」

「いやいや・・・ドッキリする余裕のある体か?俺」

「確かに・・・」



そして遥が引き出しを開けると、そこには小さな箱があった。



「竜司、何?これ」



遥が不思議そうに伺う。



「ん?・・・プレゼント」


「誰に?」


「誰って、遥に・・・明日誕生日だろ?」


「え!?誕生日プレゼント!?嬉しいっ!!」



遥の喜ぶ姿を見て、竜司は胸がドキドキし始めた。
そして気持ちを整え、遥にその中身を開けさせる。



「遥・・・中、開けてごらん?」


「いいの?」


「うん」




そして遥が箱を開けると、そこには指輪が入っていた。




「・・・これ・・・」
 

「・・・あんまし・・・良くなかったかな・・・」


「・・・ん~ん・・・嬉しい・・・」





そして指輪と一緒に入っていた一枚の手紙に、遥は感動し涙を流す。







「竜司・・・この手紙は・・・?」