幸せという病気




「武さん!!どこへ・・・?」








後を追ってきた竜司に武は微笑み、言葉を投げた。











「天国だよ」




「・・・何言ってんすか・・・」




「遥を頼んだぞ?」




「やめてくださいよ・・・もう・・・そんな事言うのやめてくださいよ!!!」




「甘えてんじゃねぇ!!!」




「・・・」




「こんなとこで泣いてる暇あったらちゃんと遥んとこにいてやれ!!!」




「でも・・・」




「・・・きっと目を覚ますから」




「え・・・?」




「遥はきっと目を覚ます」




「・・・」




「傍にいて・・・一番にそれを喜んでやれ」




「武さん・・・」




「遥を・・・幸せにするんだろ?」




「・・・はい」




「だったら・・・行け」




「・・・」




「いいから行け」




そう言われると、噛み締めた顔で竜司は武に背を向ける・・・。




「・・・武さん・・・」




そして背を向けたまま、竜司は武の名を呼んだ。




「・・・死なないで下さい」




「・・・おぅ」




「武さんの夢は・・・武さんでしか叶えられませんから・・・」






震えた声で竜司はそう言い、遥のもとへと帰っていく。



武はそれを見て小さく微笑みながら、竜司と反対方向へ歩いた。



そして竜司から受け取った携帯を手に取り、茂に発信する。