幸せという病気

《・・・母親のように優しく強い子供達です》


《・・・》


《俺がいなくても・・・絶対にしっかり生きてくれると・・・信じています》


《・・・そうか》


《いつかここを出たら・・・もう一度一緒に家族全員でご飯を食べたい》


《あぁ》


《香樹は・・・七つ、八つになっているんでしょうね・・・武に似て、ヤンチャに育ってる気がします・・・風呂も一緒に入ってやりたい・・・野球でもサッカーでも・・・なんでもいいからたくさん遊んでやりたい・・・》


《伊崎・・・いつかまた、幸せは戻ってくる》


《はい・・・》


《必ず戻ってくるよ・・・》














きっと神様は覚えていてくれた。










そんな儚い願いを。





















「こ・・・うき・・・ハァ、ハァ・・・」










「・・・お父さん・・・?」
















それがほんの一瞬・・・。










「ハァ、ハァ・・・も・・・もう一回・・・ハァ、ハァ・・・お父さんって・・・呼んでくれねぇか・・・?」


























奇跡として戻ってきた―――。


















「・・・お父さん・・・」










「ハァ、ハァ・・・香樹・・・ご飯ちゃんと食べて・・・しっかり勉強・・・しろ・・・よ?ハァ・・・ハァ・・・」