幸せという病気

香樹に呼ばれ、すぐに武とすみれ、祖母の三人がやってくる。



「竜司!!・・・よかった・・・」



武が、竜司の無事な姿を見るなり、ホッとため息をつくと、すみれは遥を呼びに笑顔で部屋を飛び出す。





一呼吸置き、武は竜司に話し掛けた。



「竜司・・・起きたか?」


「・・・はい」


「香樹が・・・おまえに頑張れって・・・」


「・・・はい」


すると、香樹も嬉しそうに竜司に話し掛ける。



「竜司兄ちゃんっ!!僕・・・頑張ったよ?」



「聞こえたよ・・・?偉いなぁ・・・香樹・・・よく頑張った・・・」




竜司はそう言い、香樹の頭を撫でた。

その後すぐに、必死でこらえていた涙が零れ落ちる。


どうしたのかと武が聞くとその時、すみれが急いで部屋に戻ってきた。




「どうしたの・・・そんな急いで・・・」



武の問いにすみれは震えながら答える。









「遥ちゃんが・・・」












「え?」














「遥ちゃんが・・・屋上で・・・」










すみれは震えて声がうまく出せない。









「すみれ・・・落ち着け・・・?」











そして震えを抑え、すみれは思い切り叫んだ。












「遥ちゃんが屋上で倒れてるの!!早く!!お願い!!」











その瞬間、武の頭に激痛が走る。








「武・・・?どうした?」


















そして、すみれの呼び掛けに答えられぬまま・・・
































武も倒れた―――。