幸せという病気



「待っててね・・・?私・・・もう怖くないよ?・・・竜司がたくさんたくさん愛してくれたから・・・私、強くなれたのかな・・・ホントはもっともっと一緒にいたかったけど・・・」












そして、その目に涙が溢れた。















「・・・二人で一緒に死ねたら・・・それはそれで幸せなのかな・・・あなたを一生大事にしますって・・・あれね?すごく嬉しかった・・・で・・・いつもいつも一緒にいてくれた・・・いつも変わらず好きでいてくれた・・・泣いてる時は・・・いつもギュって抱き締めてくれた・・・」









その瞬間、遥は言葉に詰まり、泣き崩れる。













「・・・もう一回・・・・・・もう一回だけ・・・ギュってして欲しいよ・・・・・・このまま終わりなんて・・・やだ・・・」













静かな時間が、やたらと愛おしく思えた。







それに気付くまでに・・・人はどれだけの涙を流さなければいけないのか・・・。


どれくらいの愛を与え、どれくらい与えられればいいのか・・・。


大切な人を亡くしかけるその瞬間までも・・・人は強くいなければいけないのか・・・。

































《あなたが生きているその全てが・・・》





























《私にとっての一番の幸せです・・・》

























「竜司、ありがとぉ・・・さようなら・・・」















そのまま遥は病室を出ると一人、屋上へと上っていく・・・。