「先生っさようならぁ!」

「香樹君、今日はなんかいつもより元気良いねぇ~」

「今日も竜司兄ちゃんとこ遊びに行くんだぁ~!」

「そっかそっか!二人は仲良いねぇ~?」

「そうだよ~?」



するとそこに偶々あゆみが通りかかった。


「あっ。あゆみちゃん!!」

「香樹君・・・」



一方、竜司は四つん這いになりながら、なんとか倒れまいと力を振り絞っていた。



「竜司・・・今、救急車呼んだから・・・しっかりして・・・お願い・・・」

「ハァ、ハァ・・・遥・・・」

「ん?」

「まだ・・・香樹に結果聞いてねぇんだ・・・」

「香樹に?」



横たわり、遥の膝元で竜司は手を握り訴える。



「ハァ、ハァ・・・香樹に・・・伝えて欲しい・・・」



「え・・・?」



「・・・頑張れって・・・伝えてくれ・・・」





校門では、あゆみが照れながら香樹に伺う。


「香樹君・・・一緒に帰るぅ?」

「うっ・・・うんっ」

それを見たすみれは、嬉しそうに二人の頭に手を置き、座って目線を合わせる。

「二人とも、気を付けて帰るんだよ?」

「はぁい」

「ちゃんと、こうやって手を繋いで・・・はぐれちゃわないようにっ」


すみれはそう言い、二人の手を取り繋がせると、じゃあねと手を振り見送った。

また、同じように遥の手を握った竜司は、遠くで鳴る救急車の音が聞こえると、一つ深呼吸をして遥に向けて想いを発する。




「遥・・・」



「・・・ん?」



「・・・あのさ・・・」



「ん?竜司どうした?」



「・・・大好きだから・・・」



「・・・うんっ!私もだよ!?」



「・・・ありがと・・・」











そして遥の涙が頬に零れると、そのまま竜司は意識を失くし危篤となった。













「・・・竜司ぃーっ!!!」