またその頃、竜司と遥は初めて出逢った場所を歩いていた。


「・・・竜司、看板の下敷きだったよね・・・」

「・・・今思えば・・・なんだったんだあれ・・・まぁ出逢いなんてあんなもんだ」

「まぁ・・・そうだけど・・・」

「でもすごいタイミングであの時ここを通ったよね、遥」

「そんな事言ったら竜司も、よくあのタイミングで下敷きに・・・」

「その下敷きってやめてくんない?」

「でもそうじゃん」

「いやそうだけど・・・ただ好きで下敷きになってたわけじゃないからね?」

「知ってるよ?」

「・・・ポチポチ・・・今頃天国で何してんだろ~なぁ」

「そうだねぇ・・・」









そして、午後二時。









遥が返事をしたその直後・・・










「・・・りゅっ・・・竜司!?」













竜司はその場で崩れた――。










「・・・大丈夫だ・・・」





竜司は意識を失くさないよう、必死に踏みとどまる。

だが、竜司は起き上がれない。




「竜司ぃ!しっかりしてよぉ!」


「ハァ・・・ハァ・・・」


「竜司!!今、救急車呼ぶからね!?」


「・・・ハァ、ハァ・・・まだ・・・聞いてねぇ・・・」


「え・・・?」





そして香樹は授業が終わり、竜司の嬉しそうな顔を思い浮かべながら校門を出ようとしていた。

頑張ってあゆみに気持ちを伝えた自信と嬉しさを抱え、胸の鼓動を高鳴らせて・・・。



「香樹君っ!」


そこに、下校する児童を見守る為、校門の前に立っていたすみれが香樹に話し掛ける。