そしてその日の夜。
竜司と遥は、病院から少し離れた高台にいた。
「よかったぁ、晴れてて」
竜司がそう言うと、遥は芝生に腰を下ろす。
「遥、星好きなの?」
「うんっ。私、昔から星好きだよ?」
「そうなんだぁ・・・」
そのまま二人は、その場に寝転がる。
そして見上げた空には、たくさんの星が光り輝き、竜司が空を見ながら話し始めた。
「遥は、小さい頃どんな子だったの?」
「私?・・・私は結構内気だったかなぁ」
「そうなんだ」
「竜司は?」
「俺はぁ~外で遊んで泥だらけで怪我して・・・で、家帰って母さんに怒られて・・・みたいな」
「なんかわかる気がするぅ。・・・私ね?小さい頃から、晴れた日はいつも星見てたんだぁ」
「へぇ~。綺麗だから?」
「それもあるけど・・・お願い事とかさ、いつも星を見ながら祈ってた・・・でも、今こうして見てると思う・・・」
「ん?」
「今日のこの光を・・・待ってたんだなぁって」
「え?」
