そこに、昼食を食べた遥が屋上にやってきた。
遥は、並んでベンチに座る竜司と香樹を見ると、その会話が気になり、背後からゆっくりと近づく。
そしてそれを知らない竜司と香樹は、恋愛について語っていた。
香樹は、武とすみれの事についても聞き出す。
「お兄ちゃんもすみれ先生に好きって言ったかなぁ」
「そりゃぁ~言っただろぉ~あぁ見えて意外とキザだからな、武さん」
「キザってぇ?」
「まぁいいんだよそれは。あのな、まず好意を伝えなきゃだぞ?」
「うん・・・」
「好意。わかるか?好意」
「好意・・・」
「いいか。女はシチュエーション大事にするからな。例えばおまえ、トイレの前で好意伝えても、あゆみちゃんドキってしないだろ?」
「なんで?」
「なんでって臭いじゃねぇか」
「あっ、トイレは臭い」
「そう!だから体育館裏とかさ」
「あっ。この間、体育館裏で六年生が喧嘩してたぁ」
「なんだダメだそんなとこ。じゃあほらっ、屋上?」
「先生がね?屋上は危ないから行っちゃダメって言ってたぁ」
「・・・まぁ確かに・・・じゃあ・・・美術室とかか」
「美術室遠いよ?」
「・・・めんどくせぇ学校だなぁ・・・?じゃあ香樹の教室にしよう」
と、そこに遥がやってきた。
