幸せという病気


うつむき、弱々しい顔つきですみれが続ける。


「・・・ねぇ・・・心配だよぉ・・・やっぱり・・・強くなんてないから・・・」


「・・・ごめんな・・・」


「・・・私・・・逃げ出しそうだよ・・・」


「・・・」


「もう・・・耐えられない・・・」


武は横になったまま、すみれを見て少し微笑み、優しい声で答えた。


「・・・よく頑張った・・・」


「・・・え・・・」


「無理しなくていいよ?」


それを聞くと、すみれは言葉が出ない。

武は、すみれの辛さを闇に追いやるように、目を瞑って続ける。



「たくさん背負わせすぎた・・・ホントに・・・ごめん」



「・・・」



そして五秒以上の沈黙の後、すみれの口からついにその言葉が出てしまう。