幸せという病気

「名前二人で決めようよっ。二人で助けたんだし」

「でも弟が本人で決めたいんじゃないか?」

「あ・・・いやでも・・・そうだね・・・」

「俺、あだ名とか付けるの下手だからさ・・・その・・・いい名前思いつかないかもよ?それでもいい?」

「・・・じゃあ弟に決めさせるね・・・もう怪我痛まない?大丈夫?」

「あぁ。誰かさんの看病のおかげかもね」

「私?」

「何笑ってんの?」

「別に?」









「何からやろうなぁ~」

「まずロケットやろうよ」

「恐いぃ~・・・」

「ハハッ。子供じゃねぇんだからさっ」

「だってぇ・・・」

「やっぱり最後はこれだなぁ」

「あっ。これ好き~」

「なんでデートに誘ったかって・・・もっとおまえを知りたかったからじゃないかな・・・」

「そっか・・・」

「俺さ・・・なんか、遥になら素直になれそうな気がする・・・それは多分、誰よりも遥が素直だからかもな」

「・・・」

「今まで恐かった・・・人を信用出来なくて・・・でも遥はさ・・・ありのままでいてくれるから・・・だから俺も正直に生きたいってそう思った。こんな世の中でもさ、死ぬかもしれないけど俺は希望ってのから逃げたくない・・・自分に逃げることだもんな・・・だから今日気付いたよ・・・」

「・・・ん?」

「俺は遥の事が好きだって」

「・・・うん」

「・・・遥・・・付き合お?」






「どうしているの?」

「どうしてって、看病だよ?」

「知ってる」

「知ってるって、ずっと寝てたでしょ?」

「全部聞こえてたもん。おばあちゃんの泣き声とか、お兄ちゃんが話しかけてたりとか、竜司が好きって言ってたりとか」

「好きなんて言ったかな・・・」

「覚えてないのぉ~?」

「・・・言ったかな・・・」

「・・・病気の事もわかってるよ。だから・・・気を遣わないでね?」

「そうか・・・」