幸せという病気





「・・・想い出にすんのか?もぅ・・・」





「・・・」





「あと少しの命でも・・・おまえは生きてんだぞ?」






「・・・」






「こんないい奴・・・離すなよ・・・」






「でも・・・」







「でもじゃねぇ。もっとわがままに生きたっていいよ・・・遥・・・」






「・・・」







「そのわがままをわかんない奴じゃねぇよあいつは・・・」






「・・・もう苦しめたくないょ・・・」







「あいつはそんな生半可な気持ちで付き合ったんじゃない」






「・・・付き合ってる人が死ぬんだょ・・・?」







「うん」







「あの子は・・・お兄ちゃんとは違う・・・」







「うん」







「ただ素直で優しくて・・・平気そうな顔してても・・・そんなに強くないんだょ・・・私が苦しんでる姿をいっつも見て、いっつも悩んで・・・でも・・・」










「・・・でも?」










「・・・」

















「いっつも一緒に居てくれるんだろ?」











「・・・」











「・・・それを強いって言うんだよ?」










「・・・」









「あいつは逃げない。ちゃんとおまえの傍にいるじゃん。いつもこうやってさ」









遥は、写真をもう一度見返した。


明るい顔をして笑っている竜司の顔を・・・。


そして一粒、涙が写真に落ちると、遥は部屋を飛び出して行った。