幸せという病気

「なんで泣いてんの・・・」


「・・・いやっ・・・さっき・・・別れちゃって遥と・・・」


「・・・おまえ泣いてる場合?」


「・・・そりゃ・・・ってか・・・最近泣きすぎだな俺・・・」


そう言い、竜司が鼻をすすると、


「・・・そうだな」


と、武は笑って答える。



「最近、俺を笑いすぎですよ武さん・・・」


「・・・だってさぁ、そんな奴だったっけ?おまえ」


「・・・どうですかね・・・」


「女って勝手だよなぁ」


「・・・はい・・・」


「おまえ尻にひかれるタイプだろ」


「・・・かもしんないです・・・」


「なんて言われたの?」


「・・・もう・・・別れてあげるって・・・」


「ハハハッ!」


「・・・笑うとこじゃないっすよ・・・」


「で何?別れて来たの?」


「・・・てゆうか何も言えなくて・・・」


「まぁ・・・あれだ・・・振り回されてんだ・・・」


「・・・ですかね・・・」


「たまに無茶苦茶だなおまえ・・・って時あるよな女ってさ」


「・・・まったくです・・・」


「妙に頑固だったりさぁ」


「うんうん」


「ほらっ、冗談で言ってんのに、怒ったり?」


「えぇえぇ」


「何考えてんのかわかんねぇよな?」


「ほんとですよ!」


「・・・でもそっちの方が女らしいじゃん」


「・・・は?」


「じゃねぇとキレイになれないように出来てんじゃねぇか?」


「・・・たまったモンじゃないっすよ・・・」


「ハハハ。いちいち考えてても仕方ねぇよ」


「・・・はい」


「・・・竜司・・・別に嫌われたっていいじゃん」


「・・・」


「おまえが遥をすげー好きならそれでいいと思う。なんてゆーか・・・俺はそんなおまえ、嫌いじゃねぇぞ?」


「・・・」


「男なんて、ハナっからダセぇモンだろ」




そのまま、武は穏やかな顔で電話を切る。