武は心の中で「酔ってんのか・・・めんどくせ」と思いながらも振り返ると、
「いい饅頭だな。銭の無い弘樹君にでも食わせてやんのかな?」
武は弘樹の名前にびっくりしながら誰かと聞き返した。
「警察だ」
「警察って・・・あいつなんかしたんすか?・・・あっ俺か?いやいや・・・」
「ちょっと付き合ってくれ」
男は奇妙な笑みを浮かべながらそう言い、近くの公園へ歩き出す。
武もよくわからず、自転車を引きながらゆっくり男の後をついて行った。
「兵藤の面倒見てもらってすまないな兄ちゃん。ワシの名前は波川茂ってんだが」
「刑事さんなんすか」
男は昼間、弘樹と話をしていた茂だった。
武はそう聞くと黙ってタバコをふかす。
火を付けた瞬間、煙が目に入り右腕の裾で目を押さえた。
「兵藤が何かをしたとかそんなことじゃないんだ。昼間兵藤と話している兄ちゃんを見てな。ワシも話してみたくて声をかけちまったんだよ」
そう言いながら茂は着ていた上着を脱ぐ。
武は目の痛みが無くなり、少し涙目で隣の茂を見ると、肩に大きな傷が見えた。
「よくわかんないですけど・・・なんか気持ち悪いですよ?」
肩の傷をどうこう言うわけでも無く、少し笑いながら下を向き武は答える。
「ハハハ。兄ちゃんは兵藤と違って頭も良さそうだしな」
微笑を浮かべながら武とは逆に、茂はずっと遠くを見つめている。
「褒めてるんですか?」
武はそう言いながらタバコを足元に落とし、靴底で擦り潰した。
反対に茂は黙ったまま、自分のタバコを一本取り出し、おもむろに尋ねる。
「いい饅頭だな。銭の無い弘樹君にでも食わせてやんのかな?」
武は弘樹の名前にびっくりしながら誰かと聞き返した。
「警察だ」
「警察って・・・あいつなんかしたんすか?・・・あっ俺か?いやいや・・・」
「ちょっと付き合ってくれ」
男は奇妙な笑みを浮かべながらそう言い、近くの公園へ歩き出す。
武もよくわからず、自転車を引きながらゆっくり男の後をついて行った。
「兵藤の面倒見てもらってすまないな兄ちゃん。ワシの名前は波川茂ってんだが」
「刑事さんなんすか」
男は昼間、弘樹と話をしていた茂だった。
武はそう聞くと黙ってタバコをふかす。
火を付けた瞬間、煙が目に入り右腕の裾で目を押さえた。
「兵藤が何かをしたとかそんなことじゃないんだ。昼間兵藤と話している兄ちゃんを見てな。ワシも話してみたくて声をかけちまったんだよ」
そう言いながら茂は着ていた上着を脱ぐ。
武は目の痛みが無くなり、少し涙目で隣の茂を見ると、肩に大きな傷が見えた。
「よくわかんないですけど・・・なんか気持ち悪いですよ?」
肩の傷をどうこう言うわけでも無く、少し笑いながら下を向き武は答える。
「ハハハ。兄ちゃんは兵藤と違って頭も良さそうだしな」
微笑を浮かべながら武とは逆に、茂はずっと遠くを見つめている。
「褒めてるんですか?」
武はそう言いながらタバコを足元に落とし、靴底で擦り潰した。
反対に茂は黙ったまま、自分のタバコを一本取り出し、おもむろに尋ねる。
