幸せという病気


「遥ぁ!!何やってんだよ!!・・・おい竜司!!!なんだこりゃぁ!!」


「わからないんです・・・俺も担当の先生に電話で呼ばれて・・・」












遥は、病院の屋上にいた。









武が屋上に着いた時、そこには担当医、看護師、竜司・・・そして騒ぎを見に来た多くの入院患者がいた。










遥は・・・。













遥は、屋上から飛び降りようとしていた―――。

















一歩足を踏み外せば転落してしまうその場で、遥は震える事もなくただ下を見つめている。



そして少し下がった安全な場所から、武が遥を呼ぶ。


「・・・遥ぁ!何してんだおまえ!!」


すると遥は、力の無い声でそれに答える。


「・・・もう・・・疲れたんだ・・・」

「疲れたっておまえ・・・みんなこうやって心配してんじゃねぇか!!」

「・・・心配したって私の病気は治らないよ・・・」

「もういいからこっち来い!!」

「・・・」

「遥!!」


遥が答えなくなると、今度は竜司が話し掛けた。


「遥・・・どうしたんだよ」

「・・・」

「おまえが死んだら遺された人達はどうなるんだ・・・」



そう言い、竜司が遥に近づいていくと、それを見た武は危ないと竜司の体を押さえる。




そして竜司の気持ちが爆発した。