幸せという病気

そして優しい笑顔で出てきたすみれは、武に尋ねる。



















「風邪ひいちゃうよ?・・・どうしたの?」



















その瞬間。





















何も言わず、武はすみれを抱き締めた――。


















「えっ・・・」



















五秒程沈黙が流れ、武はすみれの耳元で話す。



































「・・・これが俺の幸せだ・・・」














「うん・・・」
















そしてすみれは穏やかに、武の言葉に返事をした。



















「・・・」



















「・・・無理しないで?・・・」















武がすみれを抱き締めながら静かに涙を流すと、すみれは特に何も聞かないまま、優しく武の腕を撫でた。






そのまま凛々と静かに時間が流れ、やがて終電が無くなる。








そして、一つ二つ会話を交わし、二人はすみれの部屋に上がった。