幸せという病気

「おまえ、遥が死んだらどうする?」

「え・・・」

「俺は・・・どうなるんだろ・・・」

「・・・正直・・・考えないようにしてます・・・」

「・・・そうか。最近は自然と、自分の死と、遥の死・・・両方考えちまうんだ」

「自分の死・・・って・・・」

「この病気は俺たちに何を求めてんだろうな」

「・・・何を・・・ですか・・・?」

「うん。何が正しいのかさえもわからなくなる。それがすでにもう病気なんだ。この病気の本当の意味はそこなんじゃないのかな」


「・・・はい」






「もう・・・俺の存在さえもわかんねぇ・・・」






「・・・何考えてるんですか」






「・・・いや。たまにこうやってドッと疲れがくるんだ。今日は、香樹をうちまで・・・頼むわ」







武は寒い公園で夜まで考えつくした。





家族、親友、病気、恋、夢、そして自分の存在・・・。





























そして武は、すみれのもとに向かった。