「ママぁ~っ!」

「なぁに?優莉(ユウリ)。」

「あれぇなぁに?」

「ん?あぁ、あれはね、ウサギさんよ。」


最近、娘の優莉がいろんなものに興味を持ち始めた。


その姿さえも愛しくて、たまに優莉の行動を見ていると、昔のあなたを思い出す。


幼い頃から私はあなたを見ていたから、どこか似ている部分を探してしまう。


あなたは今、笑っているかしら?


私はね、今すごく笑ってる。

あなたからの最後の宝物がいるから………


私は幸せよ………


だからお願い、快斗………

どうかあなたも幸せでいて………


「優莉、もう帰ろっか?優莉の大好きな怜衣(レイ)が待ってるかもしれないから。」


「れぇーにあうぅ!」

「じゃ行こっか。」


今日も私は愛しい宝物の手を握り、歩き出す………