どうしよう。
誰かに助けを求めるかと思ったが、爆発音が聞こえて何分もたって何もないってことは、ご近所は誰もいないようだ。消防署や救急車を呼ぼうにも、最近悪戯電話対策とかで、特に僕らに対して疑い深い。
僕が、行かなくちゃ。
僕の頭は、このとき正常な判断を出来なくなっていた。
気付けば良かったのに。――ちょっと先にあったお宅は、テレビが付いていたことに。
「花沢さん! 入りますよっ?」
緊急時だ。そう頭の中で自分に言い訳して、鍵がかかっていなかった玄関から、手探りで奥に進む。
中はアンティークな物で溢れていて、少し気分をタイムスリップさせた。
「花沢さぁ~ん。どこにいるんですー?」
「…………こ、ち」
「花沢さん!」
廊下をしばらく歩いていると、彼女の声が聞こえた。声を頼りに、僕はずんずんずんずん進んでいく。
そして、やっと声の元の部屋を見つけ、確認のためドアをノックした。
「花沢さん? ここですか?」
「ひ……らや」


