「でしょう? ですから新型戦車の開発に、是非博士の英知をお借りしたいのです」

防衛省に籍ををおく中村参事官は、一目で高級な物だと分かるスーツを着こなし、目の前の女性にテーブルの上の資料を見るように促す。

博士と呼ばれた女性は、その資料を一瞥しながらコーヒーカップに口をつけた。