愛なんて無かった



そう言われて自分が『彼』をずっと見つめていた事に気づいた。


だから…


逸らす視線は少し戸惑って結局、空を眺める事にした。



横顔に『彼』の視線を感じるけど、気になるけど変わりゆく空色を眺め続けた。



「…綺麗だな」


ポツリと呟く声に反応して、視線はそのままで「この瞬間が一番好き」と答えていた。



この瞬間、時間が止まってしまってこの2人を包む空気までもが止まってしまった気がした。