胸の前に回された腕にそっと触れてその感触を確かめる。


温もりと一緒に感じるあたしの腕とは違う筋肉質な腕の感触。

少し浮き出た血管はやっぱりあたしと違う事を教えてくれる。


日焼けした肌は筋肉質な腕を余計に締まって見せた。


この人はこんな腕をしていたんだ。


昨夜はちっとも気づかなかった。


如何に今まで『彼』達に無頓着だったかということに改めて気づき思わず漏れる、溜め息と苦笑いの間の空気はやっぱり気だるい雰囲気の部屋に溶け込んだ。