会話なんてせずに早く寝たい――そんな事を思ってると、どこからか視線を感じる。 その視線の元を探すと、少し離れたトコでお弁当を大事そうに抱えている太めな女が目に入った。 制服のリボンが水色だから、コイツと同じ一年生だとは思う。 「アレお前の知り合い?」 「へ? どれ――あぁ! 美里!!」 美里と呼ばれたそいつは、一瞬ビックリしたような顔をしたが、すぐに笑顔になってこっちに走ってきた。 別にこっちに呼ばなくていいし、来なくていい。 俺は今すぐに寝たいんだ。