一匹狼と無邪気なワンコ


「なんか元気ないねー? 珍しい」


「だから傷付いたの。俺だって一応人間だから」


 一応、なんて付け加える必要はまるで皆無?


 
「ふふ。そうだったそうだった」


 笑いながら相槌を打つ彼女が、少しだけ可愛く思えた。


 ほんの一瞬だけね。


「センセ、さっきの続きは?」