「矢野センセ♪」


 ある日の休み時間、俺は保健室に来ていた。


「今日はダメよ! 今日こそは授業に出てもらうからね」


「……チッ」


「先生に舌打ちするなんていけませーん!」


 年甲斐も無くふくれっ面をしている彼女の席にドカッと座り込む。


 なんでこう、教師のイスに座るとこんなにも優越感を感じられるんだ?