一匹狼と無邪気なワンコ


「ごめーん! また今度ちょーだいね」


 彼の呟きを無視し、彼女らに手を振る。


「キミ、って決めてるからね」


「はぁ?」


「ふふっ。なんでもない! あっちの方あいてるから行こーよ」


 俺と彼が二人で居る事が珍しいのか、ちくちく視線を感じる。