一匹狼と無邪気なワンコ


 俺は家に帰って、早く手紙を読みたかった。


 センセと駅まで行く時もずっとその事が頭を駆け巡っていた。


「じゃあ気を付けて帰れよ」


「うん」


 電車内で手紙を開けてしまいたい衝動に駆られたが、俺はなんとか持ちこたえた。


 ――カバンの中に手を入れ、ずっと握りしめてはいたけど。


「ただいま」


 誰に話しかけるでもなく、そう呟く。