一匹狼と無邪気なワンコ


 それを聞いた俺は言うのを躊躇った。


 さすがに言えない。


 言えるわけがない。


 いじめられていたんですよ、なんて。


 いずれ明かされる事だとしても、今俺の口から告げるべき事ではない。



「だから思い悩まないでほしい。正直、こうして来てくれた事に凄く感謝しているよ」


 笑顔を向けられるたびに、俺の目から涙が溢れ出てきた。