事細かく思い出したいのにもうそれすらできない。


 夢の特徴だよね、断片的にしか思い出せないのって。


 しかもその断片的なモノですら消えていく。



「あーあ。ばか狼」


 支度をして居間に降りると、親父は出かける寸前だった。


「今朝早くに先生から電話があったぞ。遅れないように行けよ」


「うん」