だけどそれにも飽きてきたので、ふと窓の方に目をやると、清々しい青空――とはいかなかった。 昨日の昼間のようにどんよりした雨雲がこの町全体を包み込んでいた。 「カサ忘れた……」 きっとしっかり者の千佳が俺の分も持ってきてくれるだろう。 なんて勝手に決め付け、俺は残りの数十分を寝て過ごす事にした。