一匹狼と無邪気なワンコ


 考えて整理することが得意な俺でも、そんな事分かんない。


 友情とかそういうの興味無かったし、むしろ暑苦しくてアホくせー、なんて。


 でも狼に出会って、しゃべって、なんかこういうの悪くないなーなんて思って。


「あなたは大滝君に闇を見付けてほしいし、出来ればそれを無くしてほしいと思ってるけど、彼も同じ事を思っているはずよ」

「どういう意味?」


 すっかり涙が止まったのを確認したセンセは、タオルを丁寧に折りたたんでポケットにしまった。


「彼もまた深い深い闇をもってるって事」