一匹狼と無邪気なワンコ



 いやまさかそんな分かるわけないじゃん。


 俺は珍しく言葉を返せなかった。


 顔だってもしかしたらうまく作れていなかったかも。


 なんて考えているうちに過去が――こないだの映像が――俺の脳裏を横切る。



「そこ、座ってもいい?」



 問いかけられ、俺は無言で頷いた。


 センセが立ち上がり、俺のベッドに腰掛けるのを、またも無言で見ていた。