一匹狼と無邪気なワンコ



「あ! 気にしなくてもセンセとはしないから!」


 こいつ矢野センセに気があるんだっけ?


 前にセンセとよく関係もつのか聞かれたし。


「は? 俺が言いたいのはそういう事じゃ――」


「ん~、でもお腹痛いしちょっと行ってくる」


 昼食の終わりを告げる鐘が鳴るまであと数分だったし、俺は狼の制止も聞かずにそそくさと教室を出た。