一匹狼と無邪気なワンコ



 やっぱり、千佳は俺の過去を狼に話していた。


 でもなぜ話す必要があったのか。


 その真相は俺には分からないけど、悪い事じゃないってのは確か。


「ねー。明日は屋上で食べない? 暑いかもしんないけどね」


「あぁ、分かった」


 俺の過去を聞いてもこうやって普通に接してくれた。


 その態度に裏は無いって、自信を持って言える。