「――!?」


 あまりにも直球すぎたのか、予想外な発言だったからか、目を真ん丸にして俺を見た。


「なんの……事だ」


 この聞き方とタイミングは効果覿面だったらしい。


 冷静を装うとしている狼がなんとも可愛らしく見える。


「いや、こないだ千佳と放課後話したでしょ?」


「あの女が、そう言ったのか?」


「言ってないよ。ただ二人が話しているのを見たって情報が入っただけ」



 ――君にしては凄く珍しいからさ、と付け加えたあと焼きそばパンにかぶりついた。