「鬼ごっこしても俺の方が早いもんね! アハハッ!」 至る所にアキの返り血を浴び、真っ赤に染まった洋服とその笑顔はなんとも不気味なものだった。 鬼、と呼ぶべきかもしれない。 「もういいよ! わかったから! やめてくれ!!」 俺はそう叫んだけど、現実に帰れる兆候は無かった。 いつものように頭痛がきて、そして倒れてしまえばいいのに…… 過去を知りたいと願った罰なのか、俺は立ち尽くしたまま事の末を見守るしかなかった。