一匹狼と無邪気なワンコ


「ダメ! 俺のだもん!」


「けち! お兄ちゃんけち!! いつも貸してくれない!」


「けち!」


 ユキはなんでもアキの真似をしたがるのか、アキに続いてそう言った。


「けちなお兄ちゃんきらい! いらない!」


 そう言い終わるや否や、アキは幼い俺にいろいろなビニール人形を投げつけた。


「痛っ!」


「いらない!」


 そんなアキを見て、ユキも俺に猫のぬいぐるみを投げつけていた。