一匹狼と無邪気なワンコ


「おばちゃーん! デラックス焼きそばパン一つと、苺大福一つ!」


「はい。ありがとね。三百円だよ」


 俺はお金を渡した後、ビニールに包まれたパンたちを受け取る。


 そして左手に持っていた、木下さんからもらったパンをそのビニールへと入れる。


「決まった?」


 ショーケースを見つめたままの狼に声をかけてみるが、これといった反応がない。


「おーい! 早くしないと昼休み無くなるよー!」


「――あ、そうだな」


 ハッとした狼の顔はちょっと面白かったけど、何も食べないまま午後の授業受けるなんて考えられない。