一匹狼と無邪気なワンコ



「誰もいない……」


 教室内を見回すと、制服が乗っている机と乗っていない机があった。
 
 
 よく見てみると、その制服は全部男子のものだった。



「体育だったんだーサボれば良かった」


 今からでも遅くない、保健室へ行こうと踵を返した瞬間、すぐ目の前に背の大きな――狼が居た。


「わ!!」


 予想外な人物に出くわしたので、ビックリしつつも思わず後ずさりしてしまった。