「じゃ、先行くね」 俺は笑顔を崩さぬまま、そのまま教室へと走った。 廊下を走る足音が心まで響いてくるような変な感じに苛まれながらも俺は走るのを止めなかった。 普通はあそこで友情シーンかなんかになるハズだよね? だから俺、そういうのいらないって。 「――ん?」 教室へ入った途端、まるで自分だけ別の空間にいるような気分になった。