一匹狼と無邪気なワンコ


「小野寺、昨日は――」



「もうすぐ本礼鳴るし、遅刻になっちゃうよ? キミも、俺も」



 野中の言葉を遮り、俺はそう告げた。


「あ、あぁ……」


 どんな言葉をかけようとしていたかなんて想像がつく。


 だけど俺はそんなの受け入れる気なんてさらさら無いんだ。



 ――馴れ合いなんてモン、いらないんだよね。