狼は何も言わずにこっちへと近付いて来る。 わざわざ文句を言いに廊下まで出てくるなんて、ご苦労な事だよな。 「ねぇ、何?」 「ああいうの……やめてくれ」 ――心に響いた。 誰に何を言われても、コイツに悪態つかれても嫌味言われてもへっちゃらだった。 でも、ダメだ。