一匹狼と無邪気なワンコ


「そしたらキミ、停学か退学でしょ? 残念だったなー」


 言い返せない野中を横目に、俺はバッグを掴み教室を出る。


 
 あぁ、俺イメージ悪い。


 笑顔振りまくカワイイ子犬のまま三年間過ごしたかったのに……何やってんだ。



「小野寺!!」


 声をした方を振り向くと、ホウキを持ったままの狼が立っていた。


 その表情からは、怒りしか読み取れない。