一匹狼と無邪気なワンコ


「……てんめぇ!!」


 女子の悲鳴がいくつか聞こえた……この状況はアレだね。


 胸倉つかまれてるって事は俺、殴られるパターンだね。



 なんて冷静に分析しつつ、覚悟を決めた瞬間――


「もういいって!」


 狼の唸る声が教室中に響き渡った。


「俺が掃除する。それで文句ないだろ」